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まりな「で、最近、雄二君とはどうなのよ?」

杏子「まりな先輩、その質問何回目だと思ってるんですか!?飲み過ぎですよ」

まりな「酔っ払いって言う方が酔っ払い〜」

杏子「・・・・・・」

まりな「・・・無視しないでよ」

杏子「大体、一緒に飲むといつも私の話じゃないですか。それも誘導尋問を交えながら根掘り葉掘り・・・」

まりな「そんなこと言いながらいつも嬉しそうに彼氏のこと話しているのは誰かしら?」

杏子「彼氏って・・・雄二君とはまだそういう関係じゃ・・・」

まりな「あら、誰も雄二君のことだとは言ってないわよ?」

杏子「・・・・・・!! ああ、こうやってまたいつものペースに・・・」

まりな「まだまだ青いわね」

杏子「うぅ・・・たまには、まりな先輩の話も聞かせてくださいよ」

まりな「私の話?じゃあ、昔、私がアメリカで会った素敵なオジサマの話を・・・」

杏子「いや、そういうのじゃなくて・・・」

まりな「何よ、不服だって言うの?」

杏子「いえ、その・・・そうだ!まりな先輩が内調で最初に担当したのってどんな事件だったんですか?」

まりな「内調での最初の事件?」

杏子「聞かせてくださいよ」

まりな「そうねえ。あれは確か・・・」


































―――1st Day―――





<内調>

 

まりな「法条まりな、1級捜査官、ただいま到着いたしました」

甲野「うむ。法条まりな、1級捜査官の着任を確認した」

まりな「・・・・・・」

甲野「どうしたんだね?」

まりな「いや、新しい職場に来たのに、また本部長と一緒なんだなぁと・・・」

甲野「それは上が決めることだからね。我々、下の者に選ぶ権利はないから。それと僕はもう本部長じゃないよ」

まりな「あ、そういえばそうだったわね」

 

 

 この年、私は公安からこの内調へと移ってきた

 と、いっても実際には引き抜かれたんだけどね

 そして、目の前にいる中年のオッサン・・・ん、何か言いたそうね?

 なになに・・・『仮にも僕は君の上司』?

 いちいち五月蝿いわね、そういうこと言う口は・・・

 

 

 びょ〜〜〜ん

 

 

 え、板がどうしたって?板じゃなくて痛い?大体、引張ってるのは口じゃなくて髭?

 もう、細かいことは気にしないの!

 

 ・・・ちょっと話が逸れたけど、目の前にいるのが本部長こと甲野三郎

 本人も言ってたけど今の役職は本部長じゃないんだけど、面倒だから本部長のままで呼ばせてもらうわ

 彼も私と一緒にこの内調に移ってきて、今回もまた私の上司ってわけ

 こういうのを腐れ縁っていうのかしら?

 もっとも本部長が上司だと色々やりやすかったりするんだけどね

 けど、本当は素敵なオジサマ風の新しい上司を期待してたりして・・・・・・オホホホホ

 

甲野「ど、どうしたのかね!?いきなり笑いだして」

まりな「あっ、いや、ちょっと・・・」

甲野「まあいい。で、着任早々で悪いんだけど」

まりな「(ボソッ)本当は悪いともなんとも思ってないくせに・・・」

甲野「何か言ったかね?」

まりな「いえ、別に。で、どんな事件なの?まさか最初はデスクワークからってことはないでしょうね」

甲野「うむ、まずはこれを見てくれたまえ」

まりな「新聞?」

甲野「社会面のところ」

まりな「社会面、社会面と・・・あった。え〜、なになに・・・」

 

 

「昨夜未明、中央公園で男性の遺体が見つかった。被害者の男性は中央公園で生活するホームレスの1人と見られ本名は未だ不明。

遺体には多数の暴行を受けた跡があり、警察では傷害殺人事件として捜査を続けている。 中央公園では今月に入ってからこのような

事件が相次いでおり、今回で被害者は4人目。付近の住民からは、中央公園に集まる不良グループ による『ホームレス狩り』と称される

行為ではないかとの声も多く・・・・・・」

 

 

まりな「そういえば今朝テレビでやってたわね。中央公園っていったらこの近くだし、この辺りも物騒になったものだわ」

甲野「と、いうわけで頼むよ」

まりな「何が?」

甲野「何がって、それがまりな君の担当事件」

まりな「・・・・・・」

甲野「これが警察が調べたこの事件のファイルだ。何かわからない部分があったら・・・」

まりな「・・・・・・本部長」

甲野「ん、どうしたのかね?」

まりな「ここって内調よね?」

甲野「そうだけど?」

まりな「ここって内調よね!?」

甲野「うわっ!びっくりさせないでよ。だからそうだって言ってるでしょ」

まりな「じゃあ、なんでこんな事件なのよ!大体、これって警察の管轄じゃないの?」

甲野「こんな事件とは言いすぎだよ。仮にも人が死んでるんだよ」

まりな「それにしたって・・・」

甲野「まりな君、君は内調では新人の扱いだ。いきなり大きな仕事は回ってこないよ」

まりな「また下積みから経験しろってこと?」

甲野「そこまでは言ってないよ。けど、結果を出す必要はある」

まりな「はぁ〜、これなら公安にいた方がよかったかも・・・」

甲野「まあまあ、とりあえず肩慣らしだと思ってさ」

まりな「わかったわよ・・・事件のファイルはこれで全部?」

甲野「うむ、他に必要な資料があったら僕に言ってくれ。他に聞きたいことは?」

まりな「警察とのリンクは?」

甲野「警視待遇で身分は法務大臣が保証する」

まりな「へぇ・・・警視待遇ってのはいいわね。報告は?」

甲野「一日一回。僕に直接口頭で」

まりな「拳銃の携帯は?」

甲野「許可は降りてるよ。え〜と、まりな君の銃は・・・・・・あった、あった。これだ」

まりな「あ〜〜〜、会いたかったわ〜。私のM1919(イクイク)〜〜!!久々にこの引き金の感触を直接・・・」

甲野「ちょ、ちょっと、まりな君!?」

まりな「冗談よ。イクイクはいつもの場所に・・・これがないとスースーするのよね・・・ちょっと、何見てるのよ!」

甲野「あ、いやいや・・・・・・むっほん!」

まりな「まったくスケベな中年親父なんだから。さてと、イクイクも持ったし・・・法条まりな、事件の調査に行ってきます」

甲野「うむ、期待しているよ」



























<中央公園>

 

まりな「さてと・・・ここが現場の中央公園よ。結構人がいるわ」

まりな「事件が起きてるのは全部深夜だしね。まだ昼間で現場から少し離れているから安全って考えてるのね」

まりな「え〜と、本部長から貰ったファイルによると事件があったのは・・・あっちね。行ってみましょう」

 

 

 てくてく

 

 

まりな「この公園、かなり広いわね。ときどき地図で確認しないと迷っちゃいそう」

まりな「それにしても内調に来て最初の担当がこんな事件とはね・・・」

まりな「もちろん事件に大きいも小さいもないんだろうけど、やっぱりねぇ」

まりな「ま、今は与えられた任務をしっかりとこなしましょう」

 

 

 てくてく

 

 

まりな「ずいぶん奥まで来たわ。人もほとんど見当たらなくなったし・・・」

まりな「この辺のはずなんだけど・・・ん?あそこにロープが貼ってあるわね」

まりな「近くに警官も立っているわ。どうやらあそこが現場のようね」

 

 

<事件現場>

 

まりな「はろはろ〜」

警官「あっ、困ります!勝手に入られては・・・」

まりな「(ずいぶん腰の低い警官ね・・・)はい、こういう者よ」

警官「法条まりな・・・一級捜査官?」

まりな「説明すると長くなるけど・・・とりあえず警察でいうところの警視よ」

警官「け、けけけけけけけけけ警視でありますか!?」

まりな「信じられないなら上の方に確かめてもらっても結構よ」

警官「いえ!滅相もございません、法条警視!」

まりな「いや、実際に警視ってわけじゃ・・・」

警官「なんなりとお申し付けください、法条警視!」

まりな「(う〜ん、すでに聞いてないわね。・・・ま、いっか。)ここが遺体が見つかった場所ね?」

警官「はっ、そうであります」

まりな「現場検証はもう済んだの?」

警官「はい、すでに終わりました」

まりな「じゃ、私が直接調べても大丈夫ね・・・どれどれ」

警官「何かわかりましたか、法条警視?」

まりな「今、調べ始めたばっかりでしょ!」

警官「し、失礼しました。しかし、警視なら我々が気付かない何かを見つけるのではないかと・・・」

まりな「(何か勘違いしてるわね、この人・・・)・・・特に変わったところはないわね。遺体も運ばれた後だし・・・」

警官「はい、先程病院へ搬送されました」

まりな「検死の結果は後で本部長に聞くとして・・・ねえ、他の事件の遺体の発見場所はどこ?」

警官「ここからもう少し奥に進んだ場所で一体発見されてます。他の二件もその付近です」

まりな「OK、そっちの方も見てくるわ」

警官「はっ、ご苦労様です。自分はここの警備を続けます」

 

 

 てくてく

 

 

まりな「えっと、ここかしら?地面に薄っすらチョークの後が残っているわ」

まりな「さっきの場所から大体50メートルってところね。何か手がかりになりそうなものは・・・・・・なさそうね」

まりな「他の場所も検察が調べた後だから期待できないと思うけど、一応見ておかないとね」

まりな「ん?あれは・・・」

 

 

 

「いつも悪いねぇ〜」

「いえ、私にできるのはこれぐらいですから」

「本当に助かってるよ。神父さんにもお礼言っといてくれよ」

「はい、伝えておきます」

 

 

 

まりな「・・・あれがこの公園に住んでるホームレスの人達かしら?それに高校生ぐらいの女の子がいるわ」

まりな「襲われてる・・・ってわけじゃなさそうね。食べ物とか配っているみたいよ」

まりな「あっ!その子がこっちにくるわ」

 

 

女の子「あっ・・・」

まりな「はろはろ〜」

女の子「・・・はろはろ?」

まりな「あ、いや、コホン。こんにちは」

女の子「こんにちは。あの・・・警察の方ですか?」

まりな「ええ、そうだけど(厳密に言うと違うけどね)・・・どうしてそう思うの?」

女の子「最近、この辺にいるのはほとんど警察の人だから・・・」

まりな「まあ、あんな事件があったばかりだしね」

女の子「犯人は見つかったんですか?」

まりな「残念だけどまだよ。今、必死に捜査しているわ」

女の子「私、犯人知ってます!」

まりな「えっ!?」

女の子「いつも深夜になるとこの公園に集まってる不良達がいるんです。彼らの仕業に決まってます」

まりな「決まってますって・・・実際に見たわけじゃないの?」

女の子「私が言うんだから間違いありません」

まりな「いや、間違いないって言われても・・・」

女の子「実際、彼らの暴力で怪我した人だっているんです。だから早く捕まえてください。では、私は失礼します」

まりな「あ、ちょっと待っ・・・・・・行っちゃたわ」

まりな「活発っていうか何ていうか・・・結局、向こうのペースのまま何も聞けなかったわ」

まりな「ま、仕方ないわね。それにまた会えるかもしれないし」

まりな「さ、他の場所も見て戻りましょう」

 

 

まりな「ふぅ、最初の場所に戻ってきたわ」

警官「法条警視、お疲れ様です」

まりな「ねえ、ちょっと聞きたいことがあるんだけど」

警官「はい、なんでしょうか?」

まりな「さっき高校生ぐらいの女の子と会ったんだけど、知ってる?ホームレスの人達に食べ物とか配ってたみたいなんだけど」

警官「ああ、彼女はこの近くの教会の信徒さんです」

まりな「教会?」

警官「はい、この公園の近くにあります。そこの神父と一緒によくホームレスの人達の世話をしているみたいです」

まりな「へぇ・・・」

警官「そういえば、その神父が今回の事件の第一発見者ですよ」

まりな「第一発見者か・・・じゃあ、今は事情聴取中かしら?」

警官「ちょっとそこまでは・・・もう事情聴取は済んだとは思うのですが」

まりな「じゃあ、直接行ってみようかしら・・・少しでも情報を得たいしね。じゃ、あとはよろしくね」








<教会>

 

まりな「ここが教会ね。こんなところに教会があるとは知らなかったわ」

まりな「結構、素敵な教会ね。ちょっと古いところがまたいい味出してるわ」

まりな「こういうところで結婚式挙げられたらいいでしょうね。純白のドレスに赤いヴァージンロード、そして横には・・・」

まりな「・・・う〜ん、相手のことを考えると虚しくなるわ。どこかに素敵なオジサマが落ちてないかしら?」

まりな「おっと、今は私の結婚のこと考えている場合じゃないわ。早く、教会に入りましょう」

 

 

 ガチャ・・・ガチャ・・・

 

 

まりな「あら?」

 

 

 ガチャ・・・ガチャ・・・

 

 

まりな「鍵がかかっているわね・・・誰もいないのかしら?」

 

 

 コンコン・・・コンコン・・・

 

 

まりな「すいませ〜ん、誰かいませんか?・・・・・・返事がない、ただの屍・・・じゃなかった。誰もいないみたいね」

まりな「まだ事情聴取中なのかしら?仕方ないわ、また明日来てみましょう」

まりな「さて、そろそろ本部に戻りましょうか」



























<内調>

 

まりな「ただいま〜」

甲野「はい、お疲れさん」

まりな「ふぅ〜、歩き回ったから疲れたわ。いよっこらしょっと」

甲野「・・・・・・」

まりな「それにしてもこの部屋暑いわね。ちょっとスカートをあげてと・・・蒸れちゃう」

 

 

 パタパタ、パタパタ

 

 

甲野「まりな君」

まりな「ちょっと本部長、何見てるのよ」

甲野「何見てるのよじゃなくて・・・上司がいる前で、あぐらかいて床に座るのはないんじゃないかい?」

まりな「もう、しょうがないわね。細かいこと気にしすぎよ」

甲野「別に細かくはないと思うんだけど・・・で、どうかね?」

まりな「何が?」

甲野「何がって、事件のことに決まってるでしょ」

まりな「特に手がかり無し」

甲野「それだけ?」

まりな「それだけ」

甲野「まりなく〜ん・・・」

まりな「現段階じゃ何とも言えないわよ。少なくとも今日の現場検証の報告を見てからね」

甲野「うむ。明日の朝までにはこっちに届くはずだ」

まりな「よろしく頼むわね。で、報告書だけど・・・」

甲野「FAXで構わないよ」

まりな「じゃあ後で送るわ。今日はもう帰っていいの?」

甲野「うむ。また、明日から頼むよ」

まりな「は〜い」
















<まりな自宅>

 

まりな「いよっこらしょと・・・やっぱり自宅が一番落ち着くわ〜」

まりな「今日は汗も書いたしお風呂に入りましょう。・・・覗いたら撃つわよ」

 

 

 ごしごしじゃぶじゃぶ・・・ごしごしじゃぶじゃぶ・・・ざっぱ〜ん・・・(※音声のみでお楽しみください)

 

 

まりな「ふぅ、さっぱりしたわ。さてと、やっぱりお風呂上がりにはやっぱりビールよね、ビール」

まりな「確か冷蔵庫の中に・・・あったわ」

 

 

 プシュッ

 

 

まりな「ぷっはぁ〜〜〜!!この一杯のために生きている!!」

まりな「けど若い女が1人で飲んでるのも虚しいわね・・・・そうだ!弥生を呼びましょう」

まりな「え〜と、電話、電話と・・・」

 

 

 ピッポッパッポ・・・

 

 

まりな「弥生、いるかしら?」

 

 

 トゥルルルル・・・・ガチャ

 

 

電話「はい、桂木です」

まりな「あ、弥生?」

電話「ただいま留守にしております。ご用件のある方は・・・」

まりな「なんだ、留守か。仕方ないわ、明日にしましょう」

 

 

 ガチャ

 

 

まりな「弥生もいないみたいだし、今日はもう寝ましょうか」

まりな「おっと、その前に報告書を書かないといけないわね」

 

 

 カキカキ・・・

 

 

まりな「それにしても弥生ったらこんな時間まで仕事かしら?・・・それとも男?」

まりな「もし後者だったら明日、問い詰めなきゃならないわね」

まりな「えっ、報告書は書いているのかって?ちゃんと手は動いているわよ・・・よし、できた」

まりな「流石に今日は書く事が少ないわね。報告書が楽になるのはいいんだけど、捜査としては発展してないのよね」

まりな「ま、とりあえずこれをFAXで・・・・・・送信完了」

まりな「さて、報告書も書き終わったし、寝るとしますか。」

 

 

 ぱたっ

 

 

まりな「ベットに横になったわ。それにしても内調での最初の事件がこんなのとはねぇ・・・」

まりな「事件に大きいも小さいもないっていうのは正しいんだけど、やっぱり考えていたのとは大分違ったわね」

まりな「ま、今は目の前の事件に集中して早く片付けましょう」

まりな「とりあえず明日検察からの報告を見て・・・そうそう、例の教会の神父さんにも話を聞いてみましょう」

まりな「それとあの女の子の言っていたことも気になるわね・・・可能性としてはそう低くもないし・・・」

まりな「とにかく、明日からね・・・明日・・・した・・・・むにゃむにゃ・・・・」







Next Day





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