
It's Kouno's coute.
僕の名は甲野三郎。本部長なんて、なにやらえらそうな肩書きを国からいただいちゃってるけど、
僕はそんなにえらそうにはしないんだよねぇ。
もっとも、本当にえらそうにしているやつにろくなのいないけどさ。
でもねぇ、これで39っていうとさ、結構驚かれるよ。
それはちょっと昔の話なんだけど。
どうも僕に年を感じている人がいるようだけど、まだまだ現役でいけるとおもっているよ。
上も下も、ね。・・・え?そうでもない?まま。そういわないの。
あ。で、今、どこで話していると思う?留置所の中。
まりな君にそのこと伝えたらさ、めちゃくちゃびっくりしてたよ。
「本部長。何やったの!?」
だってさ。失敬だなぁ。
でもまぁ、僕だってかなりびっくりだったよ。
いきなり調査でくたくたになって家に戻ってきたら、警察が逮捕状もってきてたんだから。
「ここに逮捕状があるッス!!甲野三郎!!殺人容疑で逮捕するッス!!」
・・・もうちょっと言動に気をつけてもいいんじゃないのかなぁ。警察官なんだから。
といっても、僕が言いたいのは、「上の立場の人に対してはもうちょっと控えめにしろ」などどいうのではなく、
一般常識的な言動という意味なんだけどね。
警察官が「〜ッス」ていうのも・・・。
話は変わるけど、控えめかどうかというのにも意見を言いたい。
もしも警察官が控えめに捜査した日には犯人につけ込まれる隙を与えてしまうだけだから、アレはアレでいいとは思うんだよ。
まぁ、それが行き過ぎての誤認逮捕ってのがあるんだけど。
それでも、今の状況を、神様がくれた休暇なんていうひとがいるね。
・・・そう思いたいんだけど、仕事的には切羽詰っているからねぇ。だれも穴をあけれないのよ。今回の調査、かなり大きな話だからね。まぁ、これ以上はいえないけどさ。
そういうわけで国からの圧力で釈放できるように説き伏せることができるようなんだけど、 さすがにそれだとマスコミが何言い出すかわからないでしょう?
国と民間では大いに違いあるからねぇ。税金での運営という、さ。
そうそう。「税金泥棒」「たまむしいろ」なんて雑誌が書いていたらそれなりに売れるし、ゴシップ好きにはたまらないとおもうからね。
そういうスキャンダル持った人いじめるのもね。
「国家機密機関の”本部長”逮捕!!」なんてすっぱ抜かれた日には国の機関はおしまいだよ。
だからね。こういう場合、無実を証明できればそれでいいと思うのよ。
やっぱり。ベターであるよりベストを求めないとね。
当然断言するけど僕は無実だよ。そんな殺人なんてする暇ないしさ。といって時間があればするもんでもないだろうけど。
で、僕が訴えられている殺人事件だけど、いわゆる押し込み強盗って感じかな。
昨日の夜11時ごろに、女性と同棲していた男性の家に押し込み強盗が入ってそのまま男性にナイフを突きつけてから、ものを物色して逃走した・・・被害は10万円の現金に通帳・・・大体こんな感じかな?
で、僕が逮捕されたのは、 その同棲していた女性が僕を目撃していた、ていうわけ。
当然、そのときおこなっていたのは内密な調査だからアリバイがあるなんていえないし、事実、そのときは一人で行動していたからね。
しかし、なぜ男性の部屋・・・?それに他に気になるところもあるな・・・。
でも、一番腑に落ちないのは・・・なぜ僕なんだろうか・・・。
2017年3月22日 地方裁判所 第3法廷
裁判官「これより。被告人甲野三郎の裁判を開始します」
検察官「検察側、準備完了した」
弁護士「弁護側、準備完了しました」
裁判官「では、検事。冒頭弁論をどうぞ」
検察官「3月20日の午後11時のOX町のマンションの1室に押し込み強盗が進入した。検察側はこの被告人が逃げたところを見たという目撃証人を用意している。被告の有罪に一点の矛盾もないだろう」
裁判官「なるほど」
検察官「ではまず、被告人に話を聞きたい」
検察官「被告人。名前と職業を」
甲野三郎「(あ。そういえば身分をごまかさなきゃいけなかったんだっけ)」
検察官「名前を」
甲野三郎「(う〜ん。何にしようか・・・)」
検察官「名前!!」
甲野三郎「(あ。名前か。それなら本名でいいや)」
甲野三郎「甲野三郎です」
検察官「・・・」
検察官「・・・で、職業は?」
甲野三郎「(それ・・・なんだよねぇ。でも、警視総監待遇の身分をもらっている警察なんていうわけにはいかないし。ならとりあえず・・・)」
甲野三郎「事務業務をしています(うそじゃないよ。それがメインになっていないだけで)」
検察官「で、被告人は、今月20日の夜にはどこにいたか?」
甲野三郎「コンビニに買い物に行こうとしていました」
検察官「していたということは、実際には行っていないということか?」
甲野三郎「えぇ」
弁護士「異議あり!!」
裁判官「な、なんですか、弁護人」
甲野三郎「(な、なんなのよ、なんなのよ?!一体)」
弁護士「いまのは、誘導尋問に値します!!」
裁判官「それはどういうことでしょうか?弁護人」
弁護士「今のは、相手に質問を答えさせ、」
検察官「・・・」
検察官「・・・弁護人。それ、本気で言っているのか?」
裁判官「そのとおりです。それのどこが誘導尋問なのでしょうか?」
弁護士「そ、それは・・・。なんで私はそんなこといったんでしょうか・・・」
裁判官「・・・。その異議は却下します」
検察官「やれやれ。どうやら今までの無罪判決は単なる偶然だったようだな」
弁護士「・・・ぐ」
甲野三郎「(なにをやっているのよ。なにを。こんな弁護士と、こんな不利な状態を闘わなきゃいけないわけ?!それなら・・・)」
甲野三郎「裁判長。弁護人の隣で傍聴をしても構わないでしょうか?」
裁判長「え・・・え?!」
検察官「異議あり!!」
検察官「なぜそのようなことをしようと考えるのか!!それを聞きたい!!」
甲野三郎「やはり自分のことですから、話し合いをしたいのです。時間も与えられなかったですし。それに・・・」
検察官「それに・・・なんだね?」
甲野三郎「以前にも、被告人が弁護士席にたって弁護をしたという話を聞きます。ですので多少はご理解をしていただきたいかと」
検察官「うぬぬぬ・・・。了解した」
弁護士「・・・」
甲野三郎「なんで弁護士さんまでだまっているの」
弁護士「それ・・・やったの僕なんですよ・・・」
甲野三郎「え!?」
甲野三郎「(こんな頼りなさそうな弁護士がそんな大それたことを?!し、信じられない・・・)」
裁判長「で、では・・・検察側は、それは了承という形でよろしいわけですかな?」
検察官「・・・うむ・・・」
検察官「では!!検察側の証人、香川美純氏に入廷していただきたい」
甲野三郎「(なんだって?!香川君?!)」
検察官「では証人。名前と職業をお聞きしたい」
香川「香川美純。この平和国家の元で働いております」
検察官「被告人のことをご存知か?」
香川「いえ。まったく」
甲野三郎「よく言うよ・・・」
検察官「被告人。何か・・・?」
甲野三郎「いえ。別に・・・」
検察官「では、証言をお願いしよう」

その日、彼の家に泊まりこんでいました。
そこでいつものようにシャワーを浴びていました。
シャワー室から出ると、男がナイフを持ち、突っ立っていました。
さした人を見下ろしながら。
それで確信しました。
そこにいる被告人は、間違いなくその覆面の男でしたわ!!
ざわざわざわ
カッ!!カッ!!カッ!!
検察官「いかがだろうか。裁判長」
裁判長「うむぅ・・・」
弁護士「・・・」
甲野三郎「弁護士さん」
弁護士「はい?なんですか?」
甲野三郎「今の証言、かなりおかしくなかった?」
弁護士「どういったところがですか?」
甲野三郎「考えてもみてよ。いきなり話が飛躍しているじゃないの。私が犯人という決定的な証言をしてないし」
弁護士「・・・あ!!」
甲野三郎「(あ!!じゃないよ〜。しっかりしてよぉ)」
弁護士「裁判長!!これから、尋問をさせもらいます」
裁判長「え。え。えぇ・・・」

その日、彼の家に泊まりこんでいました。
弁護士「待った!!」
弁護士「それはなぜでしょうか?」
香川「なんでしょうか?弁護士というのはプライベートにまで口出しをするのかしら?」
検察官「異議あり!!」
検察官「弁護人は、人の言いにくいことを聞いて動揺させようとしている!!その質問は却下だ!!」
裁判長「たしかにそうですね。その異議を認めます。その質問は却下します」
弁護士「うぐぐ・・・」
甲野三郎「(でも、結構いい線いっている質問だなぁ)」
裁判長「それからあなたはどうしましたか?」
そこでいつものようにシャワーを浴びていました。
弁護士「待った!!」
弁護士「シャワーですか(どうしよう・・・?)」
甲野三郎「この質問は別に聞かなくてもいいと思うけど・・・」
弁護士「(まぁ・・・そうかな)」
甲野三郎「(野暮なこと聞こうとしなくても・・・って、私以外との逢引なのになぜかばう・・・)」
シャワー室から出ると、男がナイフを持ち、突っ立っていました。
弁護士「待った!!」
弁護士「そのときあなたは何をしていましたか?」
香川「え、えぇ・・・私は・・・」
弁護士「(何気ない質問だったのに・・・一体なぜ?)」
香川「も、もちろんその場にたちつくしていましたわ。それ以外に何があると?」
検察官「まぁそれしかないだろうな」
弁護士「(無理やり押し切られたような気もするけど・・・)」
甲野三郎「(敵もさるもの、そう簡単にはまいらないようだねぇ)」
さした人を見下ろしながら。
弁護士「待った!!」
弁護士「見下ろした??一体なぜ?」
香川「当然決まってますわ。知り合いだったのですよ」
甲野三郎「(そんなばかな?!この被害者の顔なんて知らないぞ!!)」
検察官「異議は無いか?弁護人」
弁護士「まぁ、そうですね」
甲野三郎「僕はこんな人知らないよ。何とかできないの?」
弁護士「えぇー?!どうやってですか?!証拠も無いのに・・・」
甲野三郎「あ!!」
甲野三郎「(裁判では証拠がすべて・・・。それ以外は机上の空論にしかならない・・・)」
検察官「異議は無いようだね。では続きをお願いしよう」
それで確信しました。
弁護士「待った!!」
弁護士「何をでしょうか?」
香川「それはこれから言いますわ」
そこにいる被告人は、間違いなくその覆面の男でしたわ!!
弁護士「待った!!」
弁護士「あなたのその話では、ずいぶんと話が飛躍しているようなきがします」
香川「そうですか?そうは思えませんが」
弁護士「では伺います。被告人が犯人だと証明することはできますか!!」
香川「証明、ですか?」
検察官「クックック・・・」
弁護士「(嫌な予感・・・)」
甲野三郎「(できるの?!)」
加害者はつけていたマスクを投げ捨ててました。その顔は間違いなく被告人ですわ!!
甲野三郎「(なにぃ〜?!)」
弁護士「甲野さん・・・」
甲野三郎「(疑いの目で見られても・・・僕は本当に知らなんだって!!本当に)」
甲野三郎「(でも・・・)」
甲野三郎「弁護士さん。ちょっとゆさぶってみてくださいよ」
弁護士「なぜですか?」
甲野三郎「マスク、証拠として提出されてないですよ」
弁護士「あ!!わかりました!!」
弁護士「待った!!」
弁護士「御剣検事にお聞きしたい。加害者のマスク、証拠として提出されてません!!」
弁護士「投げ捨てたものを再び着用するのはおかしいじゃないですか!!」
検察官「クックック・・・了解した」
弁護士「(あ、あるのですか・・・)」
検察官「裁判長。これが、証拠品のマスクだ。受理していただきたい」
裁判長「わ、わかりました」
マスクを証拠品ファイルに追加した
検察官「もう、異議は無いかね?弁護人」
弁護士「う、うぐぐ・・・」
???「・・・護士さん!!」
弁護士「え???」
甲野三郎「弁護士さん!!あきらめないでもう一度異論を唱えてみましょう!!」
弁護士「で、でも、もう・・・」
甲野三郎「弁護士さんがあきらめちゃったら、誰が僕を救ってくれるんですか!!」
甲野三郎「弁護士さん!!あきらめないでもう一度異論を唱えてみましょう!!」
弁護士「!!・・・わかりました!!だめ元でもやってみます!!」
弁護士「待った!!」
弁護士「御剣検事!!そのマスクに付着している髪の毛などの検査はしておられるわけですか?!」
甲野三郎「(とほほ・・・。よりにもよって、そんなの聞くなんて・・・。そんなの調べているに・・・)」
検察官「・・・ぐぐぐ・・・」
甲野三郎「(え?!一体何が・・・!?)」
弁護士「(・・・?!これは・・・もしかしたら・・・!!)」
甲野三郎「(まさか・・・こんなことってあるの?!)」
弁護士「なぜ、マスクを証拠として提出なさらないのですか?!」
検察官「・・・むむむ・・・」
裁判長「そうですね。その通りです。検事。その理由は説明できますか?」
検察官「・・・」
弁護士「(完全に黙った!!これはいけるぞ!!)」
甲野三郎「(なんだなんだ?!これは本当に裁判か?!)」
弁護士「御剣検事!!法廷では証拠がすべてです。ならば・・・証拠を提出するのが筋なのでは?!」
検察官「・・・出せるわけ無い・・・」
甲野三郎「(・・・なるほど)」
弁護士「それはどういった理由ですか!!」
検察官「・・・マスクに付着していた髪の毛の血液型採取により、その被告人との血液型と一致しないことが確認された・・・」
裁判長「な、なんですって!!」
ぶぅぶぅ・・・ざわざわ
裁判長「気持ちはわかりますが、傍聴人はブーイングをしないように!!」
香川「どういうことなのかしら。検事さん」
検察官「・・・どういうことって・・・」
香川「検事さん。なぜ目をそらすのです?」
裁判長「私から説明しましょう」
裁判長「証人の証言が偽証だったことが証明されたのです」
裁判長「よって、あなたを偽証罪で逮捕しなければなりません」
香川「な、何を戯言を・・・検事さん。なにか異議を!!」
検察官「・・・気のきいた異議が見つからない・・・」
裁判長「係官!!その証人の身柄を確保しなさい!!」
香川「な、何を・・・!!・・・」
弁護士「(か、勝った・・・)」
裁判長「落ち着いたところで、改めて裁判を」
裁判官「本来ならば、検事も事情聴取を受けねばならないのですが・・・」
検察官「・・・了解した。後で受けさせていただく」
裁判長「わかりました。では!!被告人、甲野三郎に判決を言い渡します」

甲野三郎「(お、終わった・・・)」
裁判長「では・・・本日はこれにて閉廷!!」
???「ちょっと待ったぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
甲野三郎「(な、なんだなんだ?!!!!!)」
がばっ
甲野三郎「(・・・ん?今、パジャマ姿で寝癖がある・・・ということは・・・夢、だったのか・・・)」
甲野三郎「(あんな現実あったらいやだよねぇ・・・。夢の中でつかまったはずの香川君も僕の隣で寝ているし)」
甲野三郎「(・・・あ!!もうこんな時間だ!!これ以上遅れると給料減らされる!!」
甲野三郎「・・・って、こんなことで急ぐ本部長も悲しいよね。とほほ。でもいくか)」
甲野三郎「香川君。もう行くよ。・・・香川君?」
甲野三郎「(ぴくりとも動かない・・・まさか?!)」
甲野三郎「うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!(死んでる!!)」
ガチャ!!
「甲野三郎!!先ほど通報があったッス!!おまえを殺人容疑で逮捕するッス!!」
甲野三郎「(ま、またですか・・・とほほ・・・)」